「お茶を淹れるのに必要な道具って何があるの?」
「お茶を始めたいけど、道具が多すぎて何から購入すればいい?」
今回は、中国茶/台湾茶のお茶道具について解説します。
こんにちは、Chaswear茶思維のルイルイです。
お茶を美味しく淹れるためには、道具が必要ですよね。しかし、最初から何を買って良いか、予算をどこに使うか迷いポイントです。特に、中国茶と日本茶では使用する道具が異なるため、始めるときに基本の道具を把握しておくと、より深くお茶の世界を楽しむことができます。
お茶道具を揃えるのは、お茶を淹れる楽しさの一部です!しかし、初めての方にとっては、
「どんな道具を揃えたらいいのかわからない!」
という悩みを持ってる方も多いでしょう。
そこで今回は、私が「お茶道具の基本と使い方」についてわかりやすくご紹介します!基本的な道具に加えて、それぞれの道具の役割やお手入れ方法も説明しますので、ぜひ最後まで読んで、お茶道具をマスターして、より豊かなティータイムを楽しんでくださいね。
この記事に執筆者
ルイルイ
中国国家高級茶芸師、茶席プロデューサー、文化発信インフルエンサー。茶文化と食文化の歴史に関心が深く、特に中華料理(広東料理)とお茶のペアリングを研究しています。日本茶道遠州流も習得しており、日本と中華圏の茶文化の比較や文脈を解説するのが得意。
お茶の道具一覧
最初に必ず買った方がいいアイテム
- 湯を沸かす器具: 陶器製の壺炭ストーブ、鉄製、銀製の壺、電気ケトルなど
- 茶壺: お茶を淹れるために使う茶器で、茶席の主役です(日本では急須のこと)
- 蓋碗:蓋碗は中国茶の伝統的な茶器、茶席の主役です。(茶壺の代わりに使います)
- 品茗杯/ 茶杯:客人にお茶を提供するために使います。日本茶では湯呑みに該当するもの
- 茶海: 「公道杯」「均杯」とも呼ばれ、お茶を客人に均等に分けるために使います。日本茶ではピッチャーに該当するもの
より楽しめるお道具
- 茶倉:茶葉を保管するための缶です。日本茶ではお茶入れか茶筒に該当するもの
- 茶針:茶をかき混ぜたり、茶殻を取り除いたりするために使います。茶匙とも呼ばれます
- 茶則: 茶葉を入れるために使い、客人に茶葉の乾燥状態を見せるために使います
- 茶巾(ちゃきん): 水滴を拭き取るための茶巾です。小さめのハンドタオルで代用できる
- 壺承: 「茶壺(急須)」を置くための器。気に入りのお皿でも代用できる
おもてなし、茶席を作りたいなら意識するお道具
- 茶托(ちゃたく): 茶杯を置くためのものです。日本ではコースターに該当するもの
- 水方(すいほう)、水盂(すいう): 水や茶殻を捨てるための器。茶道でいう建水のこと
- 蓋置き、匙置き: それぞれ急須の蓋、茶匙を置くための用具
- 茶盤: 中国茶を淹れる際に使われる専用の台
各道具の詳細と使い方
1.お湯を沸かす器具
陶器製の壺炭ストーブ、銀製の壺、または電気ケトル
2.蓋碗(がいわん)
蓋碗は中国茶の伝統的な茶器で、茶碗、蓋、受け皿の3つから成り立っています。蓋碗のフタ、碗、受皿はそれぞれ、天、人、地を象徴していると言われています。蓋を使って茶葉を抑えながら茶を注ぐことができ、繊細な操作が求められます。茶葉の香りや味を引き出すために用いられます。
使い方:
蓋碗に茶葉を入れ、少量のお湯を注いで茶葉を開かせます。蓋を使って茶葉を抑えながら茶を注ぎ、均一な風味を楽しむことができます。
3. 茶壺(チャーフー)
茶壺は、中国茶を淹れるための急須のような道具です。茶壺は茶葉が自由に広がるため、濃厚な風味を引き出すのに適しています。お茶の種類によって違う素材の茶壺を使います。
使い方:
親指と中指で急須の取っ手をしっかりと握り、人差し指で蓋を軽く押さえます。これにより、急須を安定させ、お茶を注ぐ際に蓋が外れないようにすることができます。急須を軽く傾けて茶杯に直接注ぐか、まず公道杯に移してから各湯飲みに分けます。傾ける角度を調整することで、茶湯の出るスピードをコントロールすることができます。
4.品茗杯(ひんめいはい)/茶杯(ちゃはい)
日本茶でいう湯呑みにあたる品茗杯は、客人にお茶を提供するために使います。中国茶や台湾茶を楽しむ際に使用される小さなカップで、一般的に1人分の茶を飲むためのサイズです。日本の茶の湯よりも小ぶりで、1杯あたりの容量は15mlから20ml程度が多いです。
陶器や磁器、ガラスなど様々な素材で作られ、それぞれ異なる質感と美しさを持ちます。丸みを帯びたデザインが多く、手のひらに収まりやすいサイズ感が特徴です。
5.公道杯(こうどうはい)・茶海(ちゃかい)
公道杯、または茶海は、茶壺や蓋碗で淹れた茶を一度注いでから、各湯飲みに均等に注ぐための器です。これにより、各湯飲みに同じ濃さの茶を注ぐことができます。
使い方:
茶壺や蓋碗から淹れた茶を公道杯に移し、各湯飲みに分けて注ぎます。これにより、茶の濃さを均一に保つことができます。
6.茶倉(ちゃくら)
茶倉は、茶葉を保存するための容器です。密閉性が高く、茶葉の香りや新鮮さを保つために使われます。容器のデザインや素材は茶葉の種類や用途に合わせてさまざまです。
使い方:
茶葉を適切な量で保存し、必要なときに茶壺や蓋碗に取り出して使用します。
7.茶則(ちゃそく)
茶則(ちゃさく)は、茶葉を入れて客人に見せるための道具です。主に茶葉の乾燥状態や品質を確認するために使用されます。茶則に茶葉を入れることで、香りを楽しんだり、茶葉の形状や色を確認することができます。これにより、お茶を淹れる前の期待感を高める役割を果たします。
8.茶針(ちゃはり)
茶針は、茶壺の注ぎ口が詰まった際にそれを解消する、または茶則からお茶器にお茶っ葉をスムーズに移るための道具です。
使い方
- 茶則や蓋碗の口の上に茶葉を置き、斜めにします。
- 茶針を使って、茶葉を抑えながらゆっくりと滑らせて移動させます。
- 茶針を使うことで、茶葉を投入するスピードをコントロールすることができます。
A. 茶壺の注ぎ口に茶葉が詰まった場合:
茶壺の注ぎ口に茶葉が詰まったときは、茶針を使って詰まった茶葉を優しく取り除きます。これにより、茶がスムーズに流れるようになります。
B. 茶葉を茶則や蓋碗に移す場合:
このようにして、茶針を使うと茶葉の詰まりを解消したり、茶葉をスムーズに移したりすることができます。
9. 茶巾(ちゃきん)
日本の茶の湯で使われる茶巾は、茶碗を拭くための薄い麻のふきんで、形は長い長方形です。一方、中国茶や台湾茶での茶巾は、お茶を淹れる際に、濡れた茶器やテーブルの水分を拭き取るために使われます。形は正方形で、素材は綿や麻などで、やや厚手のものが一般的です。
10. 茶盤(ちゃばん)
茶盤は、中国茶を淹れる際に使われる専用の台です。茶器や湯飲みを置くスペースとして利用され、茶を注ぐ際に溢れたお湯を受ける排水機能も備えています。
使い方:
茶器を茶盤に並べ、茶を淹れる際にこぼれたお湯や茶を受け止めます。お茶を楽しむ際に、見た目を整える役割もあります。
11. 水方(すいほう)、水盂(すいう)
日本の茶道でいう「建水」にあたります。お茶を淹れる際に出た余分なお湯や茶器をすすいだ水を捨てるために使います。シンプルなデザインから装飾的なものまで、様々な素材で作られており、茶席の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
中国茶/台湾茶を初めて選ぶ際のポイント
中国茶器を初めて選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
1.シンプルなデザインを選ぶ
最初に購入する茶器は、形や色がシンプルなものを選ぶのが基本です。例えば、陶器なら柴焼きのもの、茶色、磁器なら白色で、絵柄がないものが使いやすく、後から茶器を増やしても合わせやすいです。
2.実際に手に取ってみる
茶器を選ぶ際は、実際に手に取って、自分の手になじむかどうかを確かめることが重要です。見た目が美しい茶器でも、使いにくければお茶を楽しむことが難しくなります。特に、長く使いたい茶器ならば、持ちやすさや使いやすさを重視しましょう。
3.蓋碗や茶壺と茶海のサイズのバランスを考える
蓋碗や茶壺と茶海のサイズのバランスにも注意が必要です。茶海は、急須や蓋碗よりも大きいものを選ぶと良いです。サイズが合わないと、せっかく淹れたお茶を全て注ぎ切れないことがあります。購入前に、茶器の容量を確認しましょう。
4.自分の予算に合わせる
中国茶器を選ぶ際には、予算に合わせた購入も重要なポイントです。茶器には様々な価格帯のものがあり、作家ものがとても魅力的ですが、最初は無理をせず、自分の予算に合ったものを選びましょう。シンプルで質の良い茶器でも、比較的手頃な価格で購入できるものもあります。最初は全ての道具を揃わなくてもよく、必須なアイテムから購入し、茶器を少しずつ集めていくことで、趣味としての楽しみも広がります。高価な茶器は、茶器の扱いに慣れてから購入するのが良いでしょう。
5.お茶の先生に聞いてみる
もし中国茶や台湾茶を学んでいる、またはイベントに参加する予定があるなら、その場で先生に相談するのが一番早いです。お茶の先生なら、予算や今後の学習、好みに合わせて、様々な角度からアドバイスをもらえるはずです。Chaswear茶思維のイベントや講座では、現地または参加者専用のオープンチャットで気軽に茶の道具について相談できるので、実際、筆者も最初中国茶/台湾茶を学んだごろ、Chaswear茶思維の先生たちにたくさん相談を乗っていただきました。
最後に
いかがでしょうか?
今回の記事では中国茶/台湾茶の道具を紹介しました。お家では気軽にマーカーカップでも楽しめますが、一式の道具を揃えるとよりお茶のある生活をゆっくり楽ますね!
道具を手に入れたら、早速淹れてみましょう!こちらの記事では中国茶と台湾茶の基本の淹れ方を紹介します。よかったらぜひ合わせて読んでみてください~
Chaswear茶思維では、定期的にお茶を淹れる体験イベントを開催しています。リアルの体験ではお茶好きな仲間に出逢い、お茶の道具淹れ方を細かく先生から学べます。
さらに、台湾の作家さんとコラボして、品茗杯をはじめとした茶器をお好みや手のサイズに合わせてカスタマイズすることもできます。実際に道具を使ってお茶を淹れることで、より深くお茶の魅力を感じることができます。
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ぜひ、自分にぴったりの茶器を見つけて、より豊かなティータイムを楽しんでください!